虫賀 幹華 特定助教非現職
  • 所属期
    第13期(任期:2023年4月~)
    グローバル型
  • 専門
    宗教史、インド学
  • 研究内容
    前近代と近代におけるヒンドゥー教の連続性と非連続性―聖地と聖地巡礼の発展史から
  • 受入先部署
    文学研究科
  • 直前所属
    日本学術振興会/京都大学大学院文学研究科

現代インドに生きるヒンドゥー教徒たちの営みに触れるとき、古代から引き継がれてきた様々な要素を見い出すことができます。彼らもまた、古代インドの宗教文化を自身の信仰と実践の基礎として説明します。他方で、「ヒンドゥー教」という「宗教」の形は西洋人とインド人知識人によって近代に創造されたという指摘があります。そしてヒンドゥー教が単一の洗練された「宗教」であるという見方は、多様性を捨象し、ヒンドゥー教の優越性を強調する今日のヒンドゥー至上主義につながります。そうした「ヒンドゥー教」の見方を前提とせずに、現在までのヒンドゥー教の歴史を描くにはどうしたら良いのでしょうか?私はこれまで、ヒンドゥー教の現在の姿が歴史的にどう形作られてきたのかを現地調査と文献研究の両方から探ってきました。二つがつながる瞬間が最も楽しいのですが、単純には接続させられないこともわかってきました。本研究は、中世・近世期に大きく発展し、現在でもインドで盛んに行われている聖地巡礼の歴史を対象として、近代以前と以後の連続性と非連続性を描き出すことを目指します。