慶 昭蓉 特定准教授
  • 所属期
    第12期(任期:2021年10月~)
    グローバル型
  • 専門
    古代中国とイスラム化以前の中央アジアの歴史学・文献学
  • 研究内容
    内陸アジアにおける書写文化の急発展と諸胡の興起
  • 受入先部署
    人文科学研究所
  • 直前所属
    コレージュ・ド・フランス

「帝国の墓場」などの呼称と結びついた内陸アジアは、世界でも有数の文化のるつぼである。乾燥した気候によって保存された多くの遺跡は、歴史時代における交易ネットワークに光を当てることなった。

フランス高等研究院への留学中、ヨーロッパなどに保管される、数多くの中央アジア出土写本を調査した。2009年には、天山とタクラマカン砂漠に挟まれた古代クチャ国の地域で現地調査を開始した。その主要な成果は、趙莉・栄新江編『亀茲石窟題記』(全三巻、2020)として出版された。並行して、自身の研究では、クチャ・カローシュティー文字の解読、各国探検隊記録の対照分析など、その他のテーマも扱い、2015年には龍谷大学で非破壊デジタル顕微鏡による手法を学んだ。広義の中央アジア史については、2021年にコレージュ・ド・フランスで講義を共同で担当し、考古学と言語資料を組み合わせて、漢籍資料が有する価値を考証した。

白眉プロジェクトでは、文献学と文化史の観点から、イスラム化以前の内陸アジアの繁栄を復元することをめざして、これまでの経験と構想を結び付けたい。

研究者関連ニュース