馬場 基彰 特定准教授非現職
  • 所属期
    第11期(任期:2020年10月~)
    グローバル型
  • 専門
    物理学
  • 研究内容
    超放射相転移の実現と観測に向けて

私は物理学の中でも,特に電磁波(光)の研究をしています。電磁波は,電場と磁場が空間的・時間的に振動して伝搬してく波です。目に見える電磁波が光と言われます。通信に使われる電波も,電子レンジで使われるマイクロ波も,各自が放出している赤外線も,日焼けを引き起こす紫外線も,レントゲン撮影で使われるX線も,放射性物質から出るガンマ線も,全て電磁波です。一方,磁石からも磁場が出ています。しかし,その磁場は振動していません。私が取り組む超放射相転移とは,基本的に振動している電磁波が,振動しない磁場や電場になる現象です。1973年に理論的に提唱されましたが,これまで観測された例はありません。ただ,この数年で,似たような現象を起こす方法を解明し,それが実際に起こっている物質も確認できてきました。今後,実際に電磁波が静止する超放射相転移を実現し,観測していきたいと思います。そうすると,熱いから光るというのを越えた光を,熱から直接発生させられ,それによって世界的なエネルギー消費を改善できるのではと考えています。

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