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(司会) 今学部を選択するんだったら医学部を選んでいなかったかもしれないという可能性は?
(後藤) 僕は、ないですね。
(楯谷) 私も、ないですね。
(坂本) 僕も、ないですね。
(司会) やはり、医学部を選んだという選択自体は、OK だと。
(楯谷) OK といいますか、そうですね……、研究するようになって、医学部じゃなくて他の学部に行ってたら、 どうやったやろ、と妄想することはあったんですけど。ただ、他の学部の場合は、研究対象をマウスじゃなくて、もっと扱いやすい細胞培養系であるとか線虫であるとかハエであるとか、より維持が簡単な実験系でもっと根源的な生命現象を、あるいはひょっとしたらそういう実験動物も一切使わずにやるっていう道もあったと思います。まあ、選択肢は広がりますよね。一方、あえてその、身の回りのことに近いところ、現実的なものに近い方に身を置くという点では、医学部出身の人の発想というのは、やっぱり独特のものがあるんじゃないかなと思います。まあ、そういう意味では、医学部でもいいのかなと。
(司会) 白眉プロジェクトの任期が終わった後も、医学部に籍を置きたいという気持ちは?
(坂本) 僕は全然ないですね。
(後藤) うーん、難しいなあ。多分、 医学部にも医療経済やってる人いるので、医学部でもそういう道はあると思うんですよね。けど僕は博士号も経済だし、そのあと就職したのも経済学部ですから。経済学部にいる意味ってのは、一つは全産業の中での医療っていう産業を考えるっていうことだと思うんですよ。でも医学部行ってしまうと、医療産業を取りあえず何とかしないかんというふうに考えてしまうんで、その足枷をはめたくない、 なので経済にいたいと思います。
(司会) そうでした、後藤さんは経済学研究科でしたね。