白眉センターのウェブサイトにようこそ。
令和5年4月1日付で新たに白眉センター長を拝命した髙倉喜信と申します。令和4年度末をもって薬学研究科を定年退職し、赤松明彦前センター長の後任として着任致しました。何卒、宜しくお願い申し上げます。赤松先生は、平成30年4月から令和5年3月末にご退任されるまでの5年間白眉センター長を務めて下さいました。赤松先生は長年、白眉センターの活動を主導され、若手研究者の育成に多大な貢献をされました。この場をお借りしまして、赤松先生の長年のご尽力に対しまして厚く御礼申し上げます。
さて、白眉センターは2009(平成21)年9月に次世代研究者育成センターとして設立されましたが、2024年度にはグローバル型白眉研究者として8名の女性研究者名を含む19名を迎えることができました。白眉プロジェクトは2016(平成28)年度からの文部科学省による全学的な卓越研究員制度の開始に伴い、部局連携型白眉研究者として採用する卓越研究員採用枠を新たに設け、従来の京都大学白眉プロジェクトに基づくグローバル型研究者を公募採用してきました。さらに2022年に京都大学が125周年を迎えたことから、若手研究者支援事業をより一層充実させることを目指し、2022年度以降は白眉プロジェクトのグローバル型研究者の採用枠を拡大しました。その結果、これまで採用された白眉研究者の総数は、本年中の採用予定者を含め、256名(グローバル型236名、 部局連携型20名)となりました。一方、2024 年度は、3 月末までに任期を満了し、あるいは途中で他機関へ転出した研究者は12名おり、これによってこれまでに白眉プロジェクトを卒業した研究者の総計は、184名(グローバル型167名、部局連携型17名)となります。本年4月からは、総勢72名(グローバル型69名、部局連携型3名)の白眉研究者が、それぞれの分野でユニークな研究を展開しております。

皆様ご承知のように白眉プロジェクトの特色は、多種多様な専門分野の若手研究者たちが集まり、日頃の知的交流を通じて切磋琢磨し、世界の未来を見据えて自分たちの研究を展開することにあります。5年間という比較的長い任期を設け、一定の研究費を保証することで、研究に没頭できる時間を若手研究者に与えるということも特徴です。白眉研究者の誰もが、既存の専門領域を軽々と飛び越えて、新しい学問世界の創造発展に力を発揮してくれることを強く願っています。
さて、2020年初頭から始まった新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の世界的拡大には白眉プロジェクトも甚大な影響を受けましたが、令和5年5月8日にはCovid-19の法的扱いが2類から季節性インフルエンザと同じ5類へと引き下げられ、コロナ過前の状態に戻りました。白眉プロジェクトの特徴である海外の研究機関での調査研究、フィールド調査、国際的な共同研究も通常通り活発に行われています。またコロナ禍ではリモートあるいはハイブリッド開催で行うことを余儀なくされていた白眉セミナー、白眉の日、白眉合宿、年次報告会等の一連の行事も完全に対面の形で実施できるようになったことは非常に喜ばしいことです。
上記のような紆余曲折を経ながらも、これまでご支援いただいた皆さまのおかげで、2024年度に白眉センターは創立15周年を迎えることができました。2025年1月には記念式典・シンポジウムを開催し、学内外からお集まりいただいた約180名の方々と白眉プロジェクトの来し方を振り返るとともに、今後の一層の発展に向けて身を引き締めました。
白眉プロジェクトは、京都大学における次世代研究者を支援する事業としてよりさらなる充実を目指しており、特に有望な若手研究者の支援に力を入れるとともに、京都大学における優れた女性研究者を増やすのに役に立ちたいと考えています。こうした新しいプロジェクトを実施する上でも、引き続き、京都大学の全部局、すべての皆様からのご支援が必要です。2024年1月には「次世代白眉等若手研究者はぐくみ基金」を立ち上げ、より多くの皆さまからのご関心をお寄せいただけるよう尽力しております。これまで白眉プロジェクトが順調に発展してきたのは、京都大学の皆様のご理解とご協力のおかげです。この場をお借りしまして、これまでのご支援に厚くお礼を申し上げるとともに、今後とも白眉プロジェクトに対して益々のご支援を賜りますようにお願い申し上げます。
2025年4月
京都大学白眉センター
センター長 髙倉 喜信