渡邉 翼 特定准教授
  • 所属期
    第11期(任期:2020年10月~)
    部局連携型
  • 専門
    放射線腫瘍学, 放射線生物学
  • 研究内容
    生体内でのホウ素中性子捕捉反応の制御と新たな応用展開
  • 受入先部署
    複合原子力科学研究所 放射線生命科学研究部門
  • 直前所属
    京都大学 複合原子力科学研究所 粒子線腫瘍学研究センター

中性子捕捉反応は原子核が中性子を吸収する核物理反応です。数ある原子のうち,ホウ素(10B)は中性子を吸収したあと複合核となり,7Li(リチウム原子核)と4He(α粒子)に核分裂を起こします。分裂後のそれぞれの粒子はたった10μm以下しか飛ばず,細胞1つの直径と同じくらいの飛程です。この特徴を利用して,ホウ素を癌に集中させ,中性子照射により癌細胞のみに核分裂のエネルギーを与えて癌の治療を行うホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy, BNCT)の研究が世界でも日本を中心に進んでおり,既に頭頸部がん(顔や頸にできる“ がん ”)では保険適応で行われる治療となりました。本プロジェクトでは生体内でのホウ素中性子捕捉反応を制御することにより,BNCTをさらに様々な疾患(難治性癌や非腫瘍性難治性疾患)に対して応用展開すべく基礎研究を行っています。

研究者関連ニュース