東樹 宏和 特定助教非現職
  • 所属期
    第1期(任期:2010年4月~2015年3月末)
    グローバル型
  • 専門
    生態学・進化生物学
  • 研究内容
    『生命系の共進化: 新奇なモデル系の確立による分野横断型アプローチ』

なぜ地球上には数えきれない種類の生物が共存しているのでしょうか?この問いかけに答えるうえで、生物と生物のあいだでくりひろげられる「共進化」が鍵となってきたと考えられています。これまで私は、かかわりあう生物どうしの間で武器と防御がとめどなく共進化する、「軍拡競走」という現象を研究してきました。「進化しつづけなければ生き残れない」生物界の動態に関する理解は、地球生態系のなかで人類が平和を享受していく道を探る上で、欠かすことができません。農耕の起源や産業革命を通じて、人類の歴史は、生態系への負荷の増大という代償とともなうかたちで展開してきました。世界の人口が増大し続けるなかで、地球規模の気候変動や農業生産の変動、資源をめぐる国家間の対立といった絡み合う課題を解決するために、様々な分野の学問を統合して、安定なシステムを構築していかなければいけない時に来ています。白眉フェローとしての5年間を通じて、生態学の視点から、幅広い分野の専門家と議論を交わしていきたいと考えています。