小俣ラポー 日登美 特定准教授非現職
  • 所属期
    第12期(任期:2021年10月~)
    グローバル型
  • 専門
    歴史学
  • 研究内容
    「黄色」聖人の誕生とヨーロッパにおける人種論の形成――近世から近代にかけてのカトリック文化圏における日本人像――
  • 受入先部署
    人文科学研究所
  • 直前所属
    京都大学大学院文学研究科

日本は近代に国際社会に向かって本格的に開かれる前に、西欧の価値体系に取り込まれることで、すでに西欧社会に一定の評判を作り上げていた。その価値体系とは、キリスト教文化圏における聖人信仰で、他者である日本(人)も聖性を伴う信仰の模範として受容されていた。大航海時代に入った16世紀、人やモノだけでなく思想や宗教もグローバルに移動し、日本にもキリスト教信仰が伝えられたことは良く知られています。その教えは数十年普及し隆盛したものの、16世紀末移行、日本でキリスト教が禁じられ、信者や宣教師が取り締まりの対象になる中で一部は処刑され、信仰を模範的に全うした英雄、すなわち殉教者とみなされるようになった。彼らの事跡は、ヨーロッパの伝統的なレトリックに倣って多様な形で記録され、西欧においてその存在が法的に位置づけられただけでなく、文学・美術作品の対象となることで、そのイメージは増幅していった。こうした一連のイメージが、近世から近代にかけて西欧においてどのように変遷したかを検証していく。

研究者関連ニュース