越智 萌 特定助教非現職
  • 所属期
    第10期(任期:2019年10月~)
    グローバル型
  • 専門
    国際法・国際刑事司法
  • 研究内容
    中核犯罪の特別性に関する研究—国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪分類の現代的意義

ジェノサイドや人道に対する犯罪といった大規模で国際社会全体の関心を集める犯罪は,中核犯罪と呼ばれ,世界のどこで発生しても,国際社会による対応が必要とされてきました。第二次世界大戦後の戦争犯罪裁判から発生した国際刑事司法の取組みは,従来は国家間の秩序維持に重きを置き,国の指導者を処罰するためのものとして考案されました。しかし,21世紀に入り,国際社会の焦点は,国家間戦争から内戦に,そして近年ではテロリズムやその他の暴力に移りつつあるように思われます。私は,国家間の平和的共存の確保を目的としてきた中核犯罪概念の基盤は,諸個人の安全の確保を目的とする規範的構造に変化していると考え,これまで,手続法からの視点でこの問題を検討してきました。本研究では,犯罪概念を形成する規範的前提が変更されたという仮説を検証し,中核犯罪の現代における特別性を明らかにすることを目指します。

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