仲間 絢 特定准教授
  • 所属期
    第13期(任期:2023年4月~)
    グローバル型
  • 専門
    美術史学
  • 研究内容
    西洋中世における聖母マリアの表象とその女性性
  • 受入先部署
    文学研究科
  • 直前所属
    ハーバード大学大学院美術・建築史研究科

私の専門は美術史学で、西洋美術の重要な題材であり続けた聖母マリアの表象を研究対象としています。西洋中世のキリスト教文化に幅広い影響力を及ぼし、聖母マリア崇敬の主要な図像的源泉であった、旧約聖書収録の『雅歌』の花嫁神秘主義から、聖母マリア美術における女性性の解明に貢献したいと考えています。

聖母マリアに付与された様々な女性的特性―処女にして神の子キリストを授かった母、処女たちの中の処女、教会の象徴としての女性、キリストの神秘的花嫁、天上の女王など―が、宗教的意義のみでなく、聖母マリア像にどのような根源的な役割を果たしたのかについて考察します。図像や様式、作風に加えて、聖母マリアのイメージがどのように成立し、鑑賞者に受容されたかという歴史的要因に主眼を置き、聖堂の礼拝空間、宮廷の騎士道における女性崇拝、および、修道院の儀礼などのイメージ構築に関わる広く流動的な環境にも着目します。