鴻池 菜保 特定准教授
  • 所属期
    第13期(任期:2023年4月~)
    グローバル型
  • 専門
    認知神経科学
  • 研究内容
    サルの脳内に直接語りかける手法の開発と統合失調症における幻聴のメカニズム解明
  • 受入先部署
    ヒト行動進化研究センター
  • 直前所属
    京都大学ヒト行動進化研究センター

統合失調症は幻聴や妄想を主な症状とする精神疾患です。とくに、患者本人を批判・命令・監視したりするような、他人が自分に被害を加える幻聴というのが特徴的な症状です。このことから、統合失調症という疾患の本質は「自己帰属感」に障害があり、自己と他者との境界があいまいになることにあるという見方があります。いわば、他人が脳内に直接入り込んでくるような病的な感覚なのでしょう。現在のところ、これらの症状がおこる神経機構はまだよくわかっていません。幻聴では神経細胞レベルでの活動や神経ネットワークにどのような異常がおこっているのか。これらを明らかにするために、白眉プロジェクトでは、ヒトに近い脳をもつサルを対象として統合失調症の病態モデル動物を作出し、このモデル動物を用いた行動や脳活動の解析により幻聴の神経メカニズムを明らかにしたいと考えています。