垣内 伸之 特定准教授
  • 所属期
    第12期(任期:2021年10月~)
    グローバル型
  • 専門
    消化器内科学、腫瘍生物学
  • 研究内容
    慢性疾患の克服を⽬指した細胞の個体内進化の解析
  • 受入先部署
    医学研究科 消化器内科学
  • 直前所属
    京都大学大学院医学研究科 腫瘍生物学

私は消化器内科医としてがん診療を経験し、診療上の諸課題を解決するため、がんの研究を始めた。近年のゲノム解析研究によってがんで高頻度に変異する遺伝子が網羅される一方で、発がん初期に正常組織でどのようなイベントが生じているかの詳細は不明であった。食道および大腸の正常組織における遺伝子変異クローンに関する研究を通じて、多細胞生物であるヒトの体は絶え間ない細胞分裂によって恒常性が維持される一方で細胞はゲノムに変異を蓄積し続けること、これと同時に細胞は必然的に自然選択の摂理に曝されより環境に適応した遺伝子変異細胞が選択されること、また、そのような細胞によって体は再構築され続けることを認識するに至った。

そこで、がんに限らず慢性疾患を対象として、罹患臓器を構成する細胞に蓄積したゲノム・エピゲノム異常を検出し、進化の原理に基づいた解析を行うことで、病態の一端を解明し、臨床応用可能な知見の確立を目指す研究を実施する。