井内 真帆 特定准教授
  • 所属期
    第12期(任期:2021年10月~)
    グローバル型
  • 専門
    チベット学、チベット史
  • 研究内容
    チベット文化圏の基盤解明のための総合的研究-中世チベット仏教伝播後期について-
  • 受入先部署
    文学研究科
  • 直前所属
    日本学術振興会

チベット文化圏とはチベット文字とチベット仏教を共通項とする文化圏で、中でもチベット仏教の広がりはチベットの範囲を超える広いものです。私が研究対象とするのは、このチベット文化圏の重要な要素であるチベット仏教の基礎が作られた時代で、チベットの中世の始まりの時期(10世紀から13世紀頃まで)です。この時期はチベットにおいてサンスクリット語からチベット語に膨大な数の経典が翻訳され、カダム派やカギュ派、サキャ派などチベット独自の宗派が成立するなどしたことから「チベットのルネッサンス」と呼ばれます。しかしながら、この時代について書かれている同時代史料は他の時代であれば漢語史料やモンゴル語史料、満州語史料があるのに対し、それらがほとんどないということと、チベット語の同時代史料にも限りがあるということから、「チベット史の空白」とされてきました。私の研究はこの「チベット史の空白」をここ最近15年ほどの間にチベット本土から新たに発見されたチベット語の写本文献と現地でのフィールド調査によって明らかにしようとするものです。

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