磯野 優介 特定助教非現職
  • 所属期
    第7期(任期:2016年10月~2021年9月)
    部局連携型
  • 専門
    作用素環論
  • 研究内容
    『III型フォンノイマン環の研究とそれを用いたエルゴード理論への応用』

私の専門分野は作用素環論です。非常に雑に言うなら、大学一年生で学ぶ線形代数を「無限に大きなサイズの行列」に対して考えるもの、と言えばよいでしょうか。もともとはフォンノイマンが、量子力学を数学的に適切に扱うために作った理論ですが、現在では純粋に数学的視点からも研究されています。実際、K理論、結び目、エルゴード理論、表現論など多くの数学理論と密接に関係しており、非常に興味深い数学理論と言えます。私が特に興味を持っているのは、「非従順環」と呼ばれる、物理的視点からは出てこない対象の数学的研究です。非従順という言葉から連想される通り、その構造は極めて難解です。これらが物理的にどのような意味を持つかは分かっていませんが、数学的対象としては文句なく面白く、やりがいのある研究です。