今吉 格 特定准教授非現職
  • 所属期
    第7期(任期:2016年10月~2021年9月)
    部局連携型
  • 専門
    神経発生学、神経科学
  • 研究内容
    『神経幹細胞の制御機構とニューロン新生の機能的意義の解明』

私はマウスを用いて、哺乳類の脳神経系の発生のしくみと、脳の可塑性について研究を行っています。具体的には、マウス胎児脳における神経幹細胞やニューロン・グリア細胞の分化制御機構と、生後脳・成体脳におけるニューロン新生という現象に着目して研究を行っています。また、古くから哺乳類の脳神経系を構成するニューロンは、胎児期に産生され、大人になってからは新しくは産生されず、再生能力はないと信じられてきました。しかしながら、脳の中の記憶を司る海馬や、匂い情報処理の一次中枢である嗅球においては、生後や成体脳においても継続的にニューロンが産生され、神経回路に組み込まれ続ける事が明らかになってきました。脳の発生は大人になってからも引き続いて起こっているととらえる事もできます。この脳を構成するニューロンが日々の生活の中で時々刻々と入れ替るという現象は、脳が持つ可塑性の最も極端なケースでもあります。我々の研究グループは、生後脳におけるニューロン新生の機能的意義を明らかにしようと研究を行っています。