壹岐 朔巳 特定助教
  • 所属期
    第15期(任期:2025年4月~)
    グローバル型
  • 専門
    動物行動学、比較認知科学、霊長類学
  • 研究内容
    共同保育する心:ヒトの子育ての進化的基盤となった認知メカニズムを解明する比較認知科学研究
  • 受入先部署
    ヒト行動進化研究センター
  • 直前所属
    京都大学 ヒト行動進化研究センター

私は、サル類を対象としたフィールドワークやラボでの心理実験を通じ、社会的認知や情動-行動-認知間の相互作用などを研究してきました。白眉プロジェクトでは、ヒトが行うユニークな子育て行動の進化的基盤となった認知機能を解明することを目指します。
ヒトは、母親以外の個体も子どもの世話をする「共同保育」という、哺乳類としてはきわめて珍しい育児様式をもっています。現代社会では子育て環境が急激に変化し、ワンオペ育児や少子化などの問題が深刻化しています。こうした問題の背景を生物学的な観点から正しく理解するうえでも、子育て行動の基盤となる認知機能を明らかにすることは重要です。本研究課題では、母親が単独で子育てするニホンザルと、家族で共同保育を行うコモンマーモセットを用いた比較認知実験を行い、動物種間の子育てスタイルの違いを生みだす各種の認知機能の種間差を明らかにすることを計画しています。