早川 龍 特定助教

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所属期第14期(任期:2024年4月~)
グローバル型 -
専門量子計算
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研究内容量子計算を用いた高速位相的機械学習法の開発と計算複雑性の解析
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受入先部署基礎物理学研究所
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直前所属京都大学 理学研究科
私は、量子計算機に関する理論的研究を行っており、特に、量子アルゴリズムと量子計算複雑性に関する研究を行っています。量子アルゴリズムの研究では、量子計算機を用いてどのような問題を解くことができるかを解明し、特に、古典計算機に対して著しい高速性を持つような量子アルゴリズムの存在を示すことを目標としています。また、量子計算複雑性の研究では、ある問題が、どのくらい難しいのかを理論的に解明することを通じて、量子計算の古典計算に対する高速性を証明し、また、逆に、量子計算の限界をも明らかにすることができます。
本白眉プロジェクトでは、量子計算複雑性とトポロジーの融合した新しい学際的領域を開拓します。トポロジーとは、幾何学的な変形に対して堅牢性を持つような「柔らかい」構造を捉えるものですが、高次のトポロジーの持つ極度な複雑性が実は量子計算複雑性と自然な関係を持つということが明らかになりつつあります。そのような関係性の更なる解明を通じて、データ解析や機械学習の分野における新たな量子計算の応用や、トポロジーに関する問題の難しさや、量子多体系の未知の性質を明らかにすることに取り組みます。