FEDOROVA Anastasia(フィオードロワ アナスタシア) 特定准教授
  • 所属期
    第14期(任期:2024年4月~)
    グローバル型
  • 専門
    映画学、戦後史
  • 研究内容
    1950年代の日本映画と民主主義
  • 受入先部署
    文学研究科
  • 直前所属
    国立研究大学 高等経済学院(ロシア)

私の専門は映画学で、19世紀末におけるその発明以来、人々の生活と思考に多大な影響を及ぼしてきた「映画」の歴史と理論を研究対象としています。単著『リアリズムの幻想:日ソ映画交流史 1925-1955』(森話社、2018年)では、日本とソビエト・ロシアにおける文化交流の歴史に焦点をあて、映画を介した両国の対話が「リアリズム」という概念を中心に進められてきた事実を明らかにしました。そうした研究を進めるなかで、新たに芽生えたのが、1950年代の日本映画と「民主主義」の宣伝・浸透をめぐる関心です。ポツダム宣言の受託から1955年前後までの十年間は、様々な混乱と変化を伴うダイナミックな時代であり、「民主主義」を含むあらゆる概念や現象をめぐって、相反する解釈が飛び交い、その妥当性と影響力を争い合っていました。1950年代に作られた映画テクストを多角的に考察することで、現代の日本社会にも受け継がれている「民主的な」政治や教育、そして生活様式に対する共通認識の確立を映画が支えてきた過程を紐解いていきます。