海老原 志穂 特定助教
  • 所属期
    第14期(任期:2024年4月~)
    グローバル型
  • 専門
    言語学、チベット学
  • 研究内容
    チベット・ヒマラヤ地域における牧畜文化の多層性に関する記述言語学的・地理言語学的研究
  • 受入先部署
    文学研究科
  • 直前所属
    東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所

人間が言葉によってどのように世界をとらえているのかが知りたくて研究をしています。具体的には、チベット語を対象とし、記述言語学の方法論を用いて音韻・文法の構造を描いてきました。東北チベットで話されるアムド・チベット語については、その言語体系の全体像を一冊の文法書として提示することも試みました。その蓄積のうえで、近年とりくんできたのが、東北チベットの牧畜文化語彙の記述です。冷涼かつ乾燥した高地という環境の中で、チベット・ヒマラヤ地域では牧畜という生業が発達し、伝統的に営まれてきました。そのため、チベット語には、ヤクやヒツジなどの家畜の特徴を表し分ける単語や、乳製品・乳加工に関する単語、家畜の糞のさまざまな形状や種類を表す単語などの、牧畜に関する語彙が発達しています。白眉プロジェクトでは、東北チベットからチベット・ヒマラヤ地域に射程を広げ、言葉を手がかかりとして、牧畜の体系、そして、牧畜民たちの世界観に迫っていきたいと考えています。