DULINA Anna(ドゥーリナ アンナ) 特定准教授
  • 所属期
    第15期(任期:2025年4月~)
    グローバル型
  • 専門
    日本史、日本思想史
  • 研究内容
    日本中世の社会と国家の再検討―八幡信仰を中心に
  • 受入先部署
    人間・環境学研究科
  • 直前所属
    京都大学大学院 文学研究科

私は、日本中世思想史、特に宗教機関・権力者・庶民の関係に強い関心を持つ歴史学者です。本研究は、次の三つの柱に基づいています。
• 八幡信仰を中心とする日本思想史
• 庶民による歴史叙述と、賤民が残した史料の研究
• モンゴル襲来後の日本における歴史・社会・思想の変容

私の白眉プロジェクトの研究では、中世日本において庶民から権力者に至るまで幅広い崇敬を集めた八幡信仰を研究対象とし、中世社会の特質を明らかにすることを目指します。そこで、権力者が記した史料のみに依拠するのではなく、中世国家を下から支えた人々の立場からも、八幡信仰の展開とその社会的役割を検討します。特に、これまで未調査のまま蔵に眠っている、賤視された人々が作成した史料を分析することで、石清水八幡宮に帰属した身分の低い人々の中世社会において果たした役割や位置付けを明らかにしたいと思います。
また、社会的全体性や多様性に焦点を当てたアナール学派のアプローチを日本中世史の再検討に応用することで、日本中世の社会構造、宗教制度、政治など、幅広いテーマを検討します。