CANELA Andres(カネラ アンドレス) 特定准教授非現職
  • 所属期
    第9期(任期:2018年10月~)
    グローバル型
  • 専門
    分子生物学および細胞生物学
  • 研究内容
    『がん細胞における染色体不安定性の原因となるクロマチン高次構造の解明』
  • 受入先部署
    生命科学研究科
  • 直前所属
    National Cancer Institute, National Institutes of Health, MD, USA

ヒトの細胞のDNAは、直径10マイクロメートル程の小さな核の内側に、2メートルのDNAが充填され、小さなループに折り畳まれています。この極端な圧縮は、DNAにねじり張力を生じますが、それをトポイソメラーゼ2(TOP2)酵素が解消しています。 TOP2は、DNAを絶えず切断して再結合し、細胞がゲノムを正しく折りたたむ際に生じる捻転や結び目を緩和します。時には、TOP2が自身による切断を再結合することに失敗し、DNA損傷や遺伝子変異および癌につながることがあります。さらに、数多い有効な癌化学療法薬は、TOP2切断の再結合を阻害しますが、これらの薬剤で治療された患者はしばしば治療後数年後に二次癌を発症します。私はTOP2がクロマチン繊維が折り畳まれてループを形成する部分を切断し、その領域を遺伝子変異に脆弱化して、その結果二次癌発症に繋がることを発見しました。私の研究の最終目標は、核内のどのようなDNA構築と折り畳みが、癌を引き起こす遺伝子変異にどのように影響するかを理解することです。

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