安達 眞聡 助教
  • 所属期
    第11期(任期:2020年10月~)
    部局連携型
  • 専門
    精密工学、粉体工学、宇宙探査
  • 研究内容
    静電気力・磁気力を利用した月・火星レゴリス粒子ハンドリング技術の開発
  • 受入先部署
    工学研究科
  • 直前所属
    German Aerospace Center(DLR、ドイツ航空宇宙センター)

長期の月・火星探査を実現するためには、現地資源である土壌(レゴリス)粒子を活用してロケットの推進剤燃料や機器修理部品の生成などを行う In Situ Resource Utilization(ISRU)が不可欠であり、そのための中心技術が宇宙環境用の粉体ハンドリング技術です。このレゴリス粒子は粒径が小さく、凝集性があり、さらに鋭利な形状を持っていることから、その搬送・取り扱いは難しく、過去の有人・無人探査ミッション時においても多くの困難を伴いました。これまでは、機械式・流体式の粉体ハンドリング技術が導入されてきましたが、小さなレゴリス粒子が機械的駆動部の隙間に入り込んで故障の原因となったり、宇宙環境下では液体や気体の製造・管理・使用が困難であったりと、長期探査を鑑みるとこれらのシステムには解決すべき幾つかの課題が残されていました。そこで私は新しい視点から、静電気力や磁気力を利用した新しいレゴリスハンドリング技術の開発に取り組んできました。これらは機械的駆動部や空気・液体などが不要であり、またシンプルかつ小型・軽量な設計が可能であるなど、宇宙環境上での使用を考えると多くの利点があります。私の目標は、長期の月・火星探査ミッションを成功に導くツールを提供するだけでなく、その先にある深宇宙探査や宇宙環境への人間の移住などの人類の夢を実現することにあります。

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