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(田中) それでは白眉対談を始めたいと思います。よろしくお願いいたします。まずお一人ずつ、お名前とご専門についてお話しください。
(鈴木) 9 期の鈴木俊貴です。専門は動物行動学で、動物がある振る舞いをすることが、生きる上や繁殖する上でどのように役立っているのか、ということを研究しています。今着目しているのは、野鳥の鳴き声です。どのような情報を鳥同士で伝え合っているのかに興味があります。
(天野) 8 期の天野恭子と申します。専門は古代インド文献学です。文字通り古代インドの文献を研究しているのですが、私のいう古代とはだいたい紀元前 1000 年くらいのことです。ここにいらっしゃっている研究者の皆様にとっては、古い時代というと何百万年単位とか何億年単位とかですよね。でも文献では紀元前 1000 年は相当古いということになります。
(平野) 9 期の平野恭敬です。専門は神経科学と分子生物学です。ショウジョウバエを使って記憶の研究をしています。脳の中でどういう情報処理がなされ、それがどのような分子メカニズムを経て生涯続くような記憶となるのかを、遺伝学、分子生物学を駆使して研究しています。
(田中) 9 期の田中祐理子です。今日は司会も担当いたします。専門は哲学で、 19 世紀から 20 世紀にかけての科学の歴史と哲学の歴史の相互関係、特に科学の進歩が哲学の問題をどのように変えたかを研究しています。今日は「言語と記憶」をテーマとして皆さんにお集まりいただきました。お三方ともそれぞれ全然別の研究をしていらっしゃるのですが、まず話の入り口として、皆さんが「言葉」や「記憶」をどのように捉えているのか教えてください。