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(HK) 20 年以上前ですけど田中克彦教授が講演会で「どうしてエスペラントははやらないのか」と言って、そして「エスペラントの使用者が魅力的ではないからだ」と答えてましたね*4
(BM) どういう意味で。たとえば、美しいとか(笑)
(HK) 美しいとか、魅力的とか、面白いとか、そうしたら他の人たちもエスペラントを学び始めるだろう、と
(BM) 田中克彦は正しいですね
(HK) ですから、どうぞみなさん美しく、魅力的で面白い人になってください」と田中克彦は提案したんですよ
(BM) これは面白いですね。というのは、言語の魅力と関係しているから。そもそもどうして人は言語を学ぶのか。アラビア語のような言語は重要だけど、習得は難しい。言語を学ぶのは実社会での利益のためばかりではないですよ。ほら、クリンゴン語*5とかエルフ語*6とか、空想世界の文化や言語そのものに惹かれて学ぶこともある
(NB) エルフ語とかドスラキ語*7だね
(BM) 『ゲーム・オブ・スローンズ』ですね。どうして実用的ではない言語を学ぼうとするのか。言語というのはゲームのようなものだと思う。もしもクリンゴン語を学べば、他のクリンゴン語話者と交流したくなるでしょう。この意味で、エスペラントをたくさんの人が学んでいて、人々につながっている。たとえば1980年代の中国はやっと開かれてきたところで、百万人単位の中国人がエスペラントを学び、海外と文通したりしてました。当時は英語はほとんど敵性言語でしたから。だからエスペラントは海外との架け橋として役立ったのです
(HK) そういえば、日本でこの夏にエスペラントが主に使われていて、エスペラントを知らないと先に進めないようなゲーム*8が発売されて、すぐに話題になって、エスペラントの教科書が急に売れはじめたりしました。そのゲームで遊ぶためだけにエスペラントを勉強する人もいるのですね