| ENGLISH |
(小川) いろんな最適化がある中で、どこら辺まで数理的に、数式に落とせるんですかね。
(佐藤) そうなんですよね。数理最適化としてはそこは結構重要な問題で。
(小川) こういう言葉というか、そういうモヤっとして数値化しにくいものを、どう最適化するかっていうのは、何かあるんですかね、そういう。
(佐藤) 数理最適化を用いて現実問題をどう解くかっていうときは、まず最初にやらないといけないのは、どう数理モデル化するかっていうところがあるんですね。現実問題をそのまま完全に数学的に記述すると、あまりにも難しくて、得られた数理最適化問題が解けないっていうことはあるわけです。逆に、近似をたくさん入れて簡単に解ける問題にしても、それが現実問題の状況を反映していなければ有用でない解が出てきてしまうわけで、そこのバランスを取るのが重要ですね。数理最適化では、様々な最適化問題を数理的な構造に基づいてクラス分けして、こういうタイプの問題はこういうふうに解けばいいというような研究をして、それを汎用的に使ってもらおうという。
(司会) 数学の理論を実際の問題に適用するための翻訳家みたいな人材が必要じゃないかと思いますが。
(佐藤) それはもうまさに、その通りだと思います。
(菊谷) その翻訳家みたいな人っていうのは、近接領域ではどういう分野の人に当たるんですか。経済とかですか?
(佐藤) 経済もそうですし、あらゆる分野の人が該当し得ると思います。私の場合だったら、機械学習とか制御工学とかいろんな分野の人と一緒に共同研究をしていて。我々は白眉センターにいるから、そういうことはしやすい環境にあるとは思うんですけれども。一人で何でもできる人ってなかなかいないと思うので、やっぱり必要に応じて一緒にやっていくっていうのは、重要なのかなあというふうには思います。
(司会) ではそろそろ時間になりましたので、今日はこの辺で。どうもありがとうございました。