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(司会) ところで、チョルパンさんの来日のきっかけは何ですか?
(チョルパン) 私が在籍していたトルコの大学の工学部に機械等を寄附していた島精機という会社が海外の学生を日本に招くインターンシップの制度を持っていたんです。それに応募して日本に来たのが私にとっての最初の海外体験でした。その後、学部の卒業論文をその会社で勉強して書いているうちに、日本が好きになり、 文部省の奨学金にも応募することにしました。
(司会) 初めての外国が日本ということでしたが、生活は大変ではなかったですか?
(チョルパン) 当時は日本語を話せませんでしたが、周りの人が親切に助けてくれ、日本の文化を教えてくれたので、とにかく会社が好きになりました。実は来週も学生を連れてその会社の工場見学に行くなど、今でも交流が続いています。
(塩尻) チョルパンさん、学部はエンジニアリングやねん。ね?
(チョルパン) そうそう。工学。日本でも博士は工学ですけど。イギリスの大学での学位は経営学ですが、実は、最初は工学の修士課程に入学したんですよ。経営学の学生との交流の中で、こっちの方が面白いかなと思って、チャレンジングでしたけど私自身も分野を転向しました。 当初、 京大にも工学で来たんですが、経済学部のゼミにも参加させていただき、 エンジニアリング・マネジメントという分野で研究を始めました。ポスドクでは経済研究所の今井先生にお願いして、本格的に経済学と経営学を研究しました。
(北村 ) 当時流行っていた MOT(Management of Technology) とかの関係ですか?
(チョルパン) はい。そこから始めて、 中心を経営学の方にシフトしてきました。工学の知識の企業経営への応用を考えると、結局マネジメントを習う必要があるので、私たちの経営管理大学院の学生も 3 分の 1 くらいは工学部出身です。企業で働くために、 工学だけでなく経済や経営も勉強したいと理由で履修しに来ています。 特にファイナンスやマーケティングなど、工学とは異なった分野の授業に、 結構学生が来てますよ。入社前に体系的に習いたいという学生が MBA に来てますね。