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(司会) ではさっそく研究と育児の両立というテーマからお話しいただきたいのですが、塩尻さん、実際に育児を経験してみて、家族のサポートの必要性を感じていますか?
(塩尻) 私の場合は、実家が近いから何かあった時に助けてもらったり、 夫もよくみてくれます。そうじゃなければ両立はできひんのちゃうかな〜。 まず、日曜日とかは全く何もできひんし、子供が寝てから仕事やろうと思っても、寝てまうし、でも、そんなに遅くまで研究ってしてる?何時くらいまでしてる?
(チョルパン) 私は、毎日 20 〜 21 時くらいまで大学にいます。
(塩尻) それだと両立は無理やんね。 だって、子供を迎えにいかなあかんから。
(チョルパン) ご主人が助けてくれるのはありがたいですね。
(塩尻) すごいありがたーい。でも、 一般の企業とか勤めてたら難しいんかな。今、夫は英語を教えているので、時間を自由にアレンジできてるけど、一般の企業とかやったら 21 時とかもっと遅くが当たり前やんな〜。もしそうなったら、研究の方が時間に自由だから、育児との両立もやろうと思えばやれるんやろうけど・・・
(司会) ご両親も育児を手伝ってくださったんですか?
(塩尻) 特に子供が小さい時は、よく風邪をひかはるやんか。ほんときはよくみてもらってた。最初は夫とは別居やったから。上の子が小さいときは、母に日本からでてきてもらって、 調査地に一緒に滞在してもらって子守してもらってたわ。今は「もう絶対嫌」って言ってはるけど。
(チョルパン) 一般の企業でも日本で女性が働かない、働けない理由は子育ての問題と言われています。そういう意味では、塩尻さんはとてもラッキーだと思います。
(塩尻) そうやんね。
(チョルパン) ご主人が早く帰って来たり、ご両親が近くに住んでいるというのはすごく大きなサポートですよ。そういうサポートがなかったら大変ですよ。トルコでは、働いていない女性に対しても、育児のサポートをするおばさんがいつも一緒にいて、 炊事洗濯も含めて朝から晩まで世話しているのを見てきてるので、そうでないと難しいなあと思います。
(塩尻) それあったら、すごいいいよね。家のこともしてもらえるし。
(チョルパン) トルコだったらそれが普通ですよ。
(塩尻) 日本はなんでないんやろ?そういう人たちが。
(北村) そういえば、ある学会誌に、 工学の分野の研究者で、やはり工学系のご主人を持つ女性の手記がありました。例えば、子供が小さい時はベビーシッターを週に何日雇って、子供のために大学のすぐ近くに家を買って・・・ というようにすごく神経質にやっている感じが伝わってきて、やっぱりまだまだ育児との両立は難しいんやろうなって思いました。
(チョルパン) 私の従兄夫婦は 2 人とも大学教員ですが、去年双子ができました。最初は大変だったそうですが、ベビーシッターを雇ったので楽になったようです。勤務中はベビーシッターに任せて、もちろん自宅に帰ったら自分たちで育児をしますが、とにかくありがたがっています。
(塩尻) そういう人がいてくれたらいいよね。
(チョルパン) あるいはきちんと子供を預けられる場所があってもいいんでしょうけど。
(塩尻) 保育園とかでも、病気になったらすぐ電話とかかかってくるで。
(司会) 保育園は病気をみてくれないんですか?
(塩尻) みてくれない。うつる病気とかやったら、一週間休んでください、って言われる。
(チョルパン) でしたら、家でみてくれる人がいたほうがいいですね。
(塩尻) 2 歳くらいになったら、結構大丈夫になってくるけど。