第194回白眉セミナー : 『 島に望遠鏡を担いでった 』
  • 有松 亘(第11期 理学研究科附属天文台 特定助教)
  • 2021/04/06 4:30pm
  • Zoom(白眉センター内限定)
  • 日本語、ミャークフツ

要旨

これまでの観測的研究によって明らかになっている太陽系は、その全体像のほんの一部にすぎない。太陽系の外縁部には、『オールトの雲』と呼ばれる太陽系最大の天体群が存在すると推定されている。しかし、太陽および地球から極めて遠方に位置するオールト雲天体を直接検出することは、現代の超大型望遠鏡を使用しても不可能である。発表者は沖縄県宮古島市にて、小望遠鏡を用いた動画天体観測プロジェクト、Organized Autotelescopes for Serendipitous Event Survey (OASES)を実施してきた。OASESでは天文台や研究施設の存在しない宮古島にて高感度ビデオカメラを装着した小望遠鏡を複数台設置し、大量の恒星を同時に動画観測することで、恒星の手前を太陽系外縁天体が通過する際の減光を検出することに成功した。 本発表ではこれまでのOASES宮古島観測の経緯を研究成果とともに振り返るとともに、プロジェクトの現状と今後の展望について紹介する。

関連する研究者

有松 亘