第191回白眉セミナー : 『 音・感情・時間 ウラジオストクからタシケントまで 』
- 鈴木 多聞(第5期 法学研究科 特定准教授/歴史学 法政大学兼任講師・東京大学非常勤講師)
- 2021/02/09 4:30pm
- ZOOM(白眉センター内限定)
- 主として日本語(ときどき英語)
要旨
日本近代史の史料をみていると、様々な「音」が過去に存在していたことに気がつきます。しかし、それらの「音」を文字として、論文などで書いて、表現することは難しいです。また「音」には動作やシンボル、その背後に意味内容を伴うことがあります。さらには、音楽と政治の関係についても、様々な議論があります。
そこで、ロシア民謡「カチューシャ」「異国の丘」「うたごえ運動/「歌声喫茶」といったものを題材に、歴史学のアプローチから、叩き台を提供したいと思います。個人的には「無音ー音の高低」「音ー温度」「音ー光」「音ー踊り」に興味あります。たとえば、シベリアでは雪に吸音効果が林に防音効果があり、地理にも左右されました。なお、日本における「合唱」の歴史はそれほど長くはありません。
ウォークマン登場以前の「音」を想像するのは、デジタルデバイスの発達した現在の感覚では難しいかとは思います。 相馬先生にはタシケント滞在のご経験や『鷲使いの民族誌』の御著作があり、鈴木俊貴先生には「シジュウカラにも言語があった」のご論文があります。
コメンテーターの方のフィールドのお話しもふまえ、活発な仮説をいただけたらと思っております。
コメンテーター
- 相馬 拓也(第10期 野生動物研究センター 特定准教授)
- 鈴木 俊貴(予定)(第9期 理学研究科 特定助教)