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(司会) 色んな分野の立場が少し分かってきたので、ここでそれを整理しつつ、宇宙関係の分野について非専門家向けに説明をお願いします。
(信川) どういうふうにまとめたらいいですかねぇ。
(司会) たとえば、宇宙関係の大きい学会はどんなのがありますか?この 4 人でだいたい全部カバーできるのか、とか。
(信川) じゃあ、まず所属してる学会を言いますか。
(長尾) ぼくは日本天文学会、以上です。
(信川) ぼくも日本天文学会、以上ですねぇ。
(長尾) あれ、そうなんですか。
(信川) エックス線の研究者の中には物理学会は入っている人もいるんですけど、ぼくは入ってないですね。
(村主) ぼくも日本天文学会だけですね。
(小林) ぼくは日本物理学会だけですね。(一同) おー(笑)。
(司会) はっきり分かれたというか、2 個しか出てこなかったというか。
(村主) 惑星物理学会っていうのもあるよね。
(信川) 明確な分野の違いとして、太陽系内と太陽系の外っていうのは分かれていると思いますね。
(長尾) 太陽系の中、頑張ったら行けますからね。ちゃんとサンプル取って来るとか。でも隣の恒星とか言い出すと、もうとたんに無理ですからねぇ。
(小林) そうですねぇ。
(信川) ぼくのやっている分野では天文学会と物理学会と両方に入っている人も多いんですよ。その違いは、一つは扱う現象のエネルギーが高くなると物理学会で、それほど高くなければ天文学会に行くという傾向はあります。
(長尾) ありますねぇ。エックス線よりもっとエネルギー高くなってガンマ線とかになったら、間違いなく物理学会ですよね。
(信川) エックス線は天文学会だけれども、 ガンマ線になると物理学会に行くという・・・。
(司会) そしたら、学会分けの基準としては、 太陽系の内外というのと、エネルギーの高低というのと・・・あと他にもあります?理論と実験とか。
(長尾) 理論と実験の違いは大きいけど、学会を分けるときにはあんまり関係ないですよね。
(信川) 関係ないです。どの学会にも理論と実験の両方がある。
(小林) たとえば、天文学会にも宇宙論セッションというのがあります。
(司会) 観測装置を作ったり実際に衛星とかを飛ばしたりするような、工学系の人たちとのリンクっていうのは?
(長尾) それは非常に密接ですね。たとえば望遠鏡の検出器の読み出し回路の設計とか、 詳細な観測技術に関することは日本天文学会の中で、望遠鏡を使う人と一緒に議論しながらやっているという感じですね。
(司会) 村主さんは主にどこで発表されるんですか?
(村主) たとえば惑星のシミュレーションをしたら惑星のところで話すし、星間物質のシミュレーションをしたら星間物質のところで話しますねぇ。
(長尾) 情報関係の学会に入られてないんですか?
(村主) 今年は関数型言語の国際会議に行ってきましたよ。
(信川) 関数型?
(村主) 関数型プログラミング言語。ずっと昔からあるのだけど、ここ 2、3 年の進歩も凄まじいです。本誌第 2 号で少し解説を書きました。