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(司会) 一つ聞きたいのですが、さっき対象として生き物を変えるときのタイミングは難しいんだっというところで、皆さんがうなずいていらっしゃったのですが、山道さんは対象の生き物っていうのは変わっているんですか。
(越川) 山道くんは何か変え放題だから。
(一同) (笑)
(山道) 卒論はシカで、大学院の研究はプランクトンとヒトとチンパンジーとカタツムリとヘビとグッピーの研究をしていて、最近は水草とプランクトンと、あとカッコウとキタゾウアザラシもちょっと。
(加賀谷) めっちゃ変えてるじゃないですか。
(一同) (笑)
(司会) それでも対象を変えるのは難しいんですか(笑)。
(越川) 数理だから変え放題ですよね。
(山道) いや逆に、数理ってどういうふうにキャリアを組み立てていくのかが難しいなって最近思っていて。何か一つに決めてやると、自分の中の軸が決まるじゃないですか。逆にいろいろやっちゃうと、周りから「何をやっているのかよくわからない人」っていうふうに見られがちだし、やっぱり特色が出ないとなかなか認知を獲得しづらいんじゃないですか。
(越川) じゃあ、1 個に決めましょう。
(山道) 一応プランクトンがメインなんですよ。プランクトンメインで、カタツムリ副ぐらいで。
(司会) 生物学者はやっぱり対象となる生き物にこだわって、その生き物のものをしっかりと調べることで、生物学の何か統一的なものを知りたいっていうところがあるのでしょうか?(様子を伺いながら)・・・・そういう感じでもなさそうですね。
(一同) (笑)
(司会) 単にその生き物が面白いから研究しているという部分もあるのでしょうか。
(加賀谷) いや、面白いだけ、どうかな。
(原村) 僕は卵が好きなんですよね。
(一同)( 笑)
(原村) 僕も卒論のときは研究室も全然違って生態学の研究室で、野良ネコを調査していました。今は趣味で飼ってるんですけどね。野良ネコの調査をやってて、今「卵」に関心があるっていう理由の一つが、母性効果っていってお母さんの効果が子どもにどう影響するかっていう研究分野があって。哺乳類とか、お母さんが子育てする生き物では、やっぱりお母さんの行動がそのまま、そのままっていうかある程度子どもに影響するんですね。それでふって思ったのが、じゃあ生まれたときにお母さんがいない生き物はどうなんやろうって、それで卵がすごい気になり始めて。それでカエルを研究し始めたんですね、卵を産むんやったらカエルやろっていう(笑)。最初はだからお母さんの産卵場所選択とか、そういう研究をしてました。で、今はオオヒキガエルの防除研究やってるんですけど。オオヒキガエルの研究目標は防除なんだけれども、やってることはやっぱり卵に関係することなんですよね、卵の共食い行動を利用した防除みたいな。今、僕は一応カエルをやってる研究者なんですけど、何やってる研究者って言われて一番うれしいのは、卵やってる研究者って言われるのが一番うれしいんですよね、僕的には。
(越川) 今まで、完全にカエルの人って思っていました。
(一同) (笑)
(越川) もっと卵を押してったほうがいい。
(加賀谷) 卵の人(笑)。
(原村) 卵っていったら動物の生活史の中の最初の少しの部分でしかないので、そこだけに注目してる人ってほとんどいない。
(越川) 卵の原村でいったらいいじゃないですか。