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(司会) さっそくですが、今回は「生物学の様々な視点」をテーマに、対談を始めたいと思います。まずは、自己紹介をお願いします。
(加賀谷) 6 期の加賀谷です。シャコパンチ研究者です。シャコパンチのメカニズムの研究をしてます。
(山道) 5 期の山道です。主に理論的なアプローチを使って生態学と進化生物学の研究をしています。
(原村) 4 期の原村です。今は外来種のオオヒキガエルの防除法を開発する研究をしています。動物行動学の視点から防除法を開発したいなと思って研究しています。
(越川) 5 期の越川です。模様があるハエの種類を使って模様がどういうふうに作られるかという研究をしています。よろしくお願いします。
(司会) この対談を催した動機なのですが、今年の白眉合宿が白浜でした。そこで白浜から頻繁に出てこれないお二方と、滅多に白浜にはいらっしゃらない山道さんと越川さんを招いて、普段は見られない対談を見てみたいという個人的な私の思いからです(笑)。やってらっしゃる研究の手法であったりとか、あるいはその対象であったりとか、生物学って一括りにしたとしても様々な見方があると思うので、それをお互いの見方を、紹介し、刺激し合いながら、「生物学の統一的な見方っていうのは何だろう」というのを目指してお話ししていただければと思ってます。
(加賀谷) ティンバーゲンのフォークエスチョンズの話1 っていうのは合宿でも随分出てきてたじゃないですか。この辺みんな共有できてるんですよね。
(越川) え? この辺って?
(加賀谷) この4 人全員。
(原村) それは一応把握してるつもりですけども。
(司会) じゃあ僕だけがわかってないですね。説明していただけますか?
(越川) メカニズムやってる人は普通知らないですよ。だからどっちかっていうと生態学とか行動学の教育の中でそういうのがあって、自分はこっちだよっていうことですよね。
(加賀谷) メカニズムはその4 つの内の1 つですね。
(山道) 至近要因。
(加賀谷) うん。仕組みに関する問いですよね。
(司会) あと3 つは何なんですか。
(加賀谷) えっと、発生ですよね。あと機能と、
(原村) 進化。
(司会) 皆さんはそのフォークエスチョンズの多分すべてに答えたいのだと思うんですけども、その中でも特にこういうところに視点を置いて研究をしているということでしょうか。
(加賀谷) そうですね。だからみんな軸足がどこにあるのかなという疑問を持ちつつ話を聞いていて。たとえば、原村さんは適応進化なのかなみたいな(笑)。
(越川) 究極要因ですね。
(加賀谷) 機能と進化が究極要因。
(山道) で、至近要因が、
(加賀谷) 発生とメカニズム、
(原村) 僕は究極要因に関心があるんですが、その中でも古典的な動物行動学。昔、ティンバーゲン2 とかが立ち上げた時期のやつがあって、昔の動物行動学が好きなんですよね。なのでそういった昔の手法とかを使った実験とかを今はしてますね。
(司会) これ本当に私だけがわからない状態ですね(笑)。
(一同) (笑)
左から原村氏、加賀谷氏、越川氏、山道氏。和歌山県白浜町の瀬戸臨海実験所前にて。