藤井 啓祐(2022)
第4期 特定助教(情報学研究科/理学研究科)
2013年4月1日〜2015年3月31日 在職
第8 期 特定助教(理学研究科)
2017年10月1日〜2019年3月31日 在職
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大阪大学大学院基礎工学研究科 教授
2019年4月1日~ 現職

「量子」のメジャーデビュー
私は「量子」コンピュータの研究をしています。2013年に白眉センターに着任したころは、知名度も低く、また量子コンピュータの実現が近い未来に訪れるとは誰も予想していませんでした。この嵐の前の静けさの中、白眉センター在籍時には、いろいろな研究者と分野を超えた議論を楽しみました。特に、「タコの足(ソフトロボット)で計算をする」研究をしていた5期の中嶋さんと熱く語り合い、共同研究をする中で、それまでの量子コンピュータ分野の常識とは外れた新たな応用の発見に繋がりました。この頃、googleが量子コンピュータのデバイス開発に参戦し、状況が一変しました。当時、勃興しつつあった業界動向について、「研究の現場から:量子の大冒険」に書きました。そこで、「景気のいい話ですが、私のところには1 銭も入ってきていません」と書きましたが、第8期として白眉センターに戻ってきた2018年に、私自身もベンチャー企業、QunaSysを創業しました(依然として私のところには1銭も入ってきていません)。その後、2019年に大阪大学に教授として着任し、今では研究室には23人の学生が在籍して、教育や研究で毎日が戦場のように忙しい日々を送っています。同時に量子コンピュータがいわゆるメジャーデビューをしてしまい、少し遠くの存在になったようにも感じます。そのような現在の私にとっての資産は、研究者として大事な時期に、白眉センターで良き人々に恵まれたこと、研究に贅沢に時間を注げたことです。量子コンピュータの実現に向けた挑戦は、まだまだ道は長く険しいものとなると思いますが、白眉センター時代の初心、私が追っかけていた「量子」を忘れず、突き進んで行きたいと思っています。

後輩白眉たちにひとこと
白眉センターで研究できる日々はかけがえのない時間です。まさに研究者の楽園です。ですので、本当に大事だと思う研究だけに没頭し、良き研究者に出会い、そしてその恵まれた環境を次の世代に繋いでいってほしいと思います。何かの機会に皆様とお会いできることを楽しみにしております。「量子」のことでお困りのことがあればお声がけください。

量子コンピュータのシミュレーションのための計算機サーバー/理論研究者にとって研究に欠かせないツールがホワイトボード/数式を使わず、コンピュータや量子力学、そして量子コンピュータについて一般の人向けに説明をした書籍『驚異の量子コンピュータ』/白眉センター時代に寄稿した当時の状況を語った「量子の大冒険」