沙川 貴大(2013)

白眉センターを離れ、早くも8ヵ月近くが過ぎました。私の新しい職場は、東大のいわゆる「駒場」、とくに大学院総合文化研究科・教養学部です。教養学部は、東大の全学の1、2年生の教育も担っています。そのため、理系から文系まで、ほぼすべての学問分野の先生が所属していらっしゃいます。この点は白眉センターと共通で。とても楽しい学際的な環境だと思います。実際、現在私の研究室がある建物の中だけでも、物理・化学・生物と、理系の幅広い分野の先生方がいらっしゃり、日常的にお話しする機会があります。また、私は今年から、駒場の先生方を中心にした「複雑生命システム動態研究教育拠点」というプロジェクトに参加させていただいており、物理の理論家の立場から生命現象の研究に着手し始めました。今はまだまだ生命科学を勉強させていただいている段階ですが、生命科学を専門とされる先生方と学問的な交流をする貴重な機会に恵まれています。現在のこのような学際的な環境での生活をスタートするにあたり、白眉の皆様との学際的な交流の経験を活かすことができていると実感しています。

駒場キャンパスにて、海外からの訪問者2人との議論

駒場では、海外からの訪問者を迎えたりもしながら、白眉同様の自由な雰囲気の中で研究を進めることができています。また、学部 1、2年生がたくさんいる駒場の若い活気があふれる雰囲気も、私にとって刺激になっています。少しずつ新生活を軌道に乗せ、理論物理の研究をさらに飛躍させていきたいと思っております。

白眉センターに所属していた1年9か月の間は、自由な環境と貴重な学際的交流の機会をいただき、大きな刺激を受けました。最後になりましたが、この場を借りて、お世話になった皆様に深くお礼申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

(さがわ たかひろ)