白眉秋合宿(2017年12月8日~9日/川中宣太)

2017年12月8日から9日にかけて、第8回白眉秋合宿が京都市左京区の関西セミナーハウス(修学院きらら山荘)で行われた。この合宿は10月に新規で白眉プロジェクトに採用された研究者の歓迎と白眉研究者どうしの交流を目的として毎年行われている白眉年中イベントの1つで、今年は現役・OB・スタッフを含め計37名が参加した。
合宿では例年各参加者がスライドを用いて短めの自己紹介を行うのが恒例となっているが、今年は趣向を変え、白眉研究者どうしがペアを組んで互いのプロフィールや研究内容を紹介する、自己紹介ならぬ「他己紹介」を行った。この試みは以前にも白眉合宿で行われたもので、白眉内の交流を深めるのに良さそうという考えから世話人が今年改めて企画したのだが、結果として予想以上の盛り上がりを見せた。自分の専門と大きく異なる内容の研究紹介を自分なりの解釈を交えて行うことで、紹介者自身が勉強になることはもちろん、紹介される側の研究者も自らの研究を客観的に眺める機会にもなったと思われる。また、一連の他己紹介を聞くことで他の白眉研究者らの専門分野や普段の研究スタイル、さらには研究以外の場面での様子をよく知ることができ、より交流が深まるきっかけにもなった。

また、ロングトークとして現役白眉の麥文彪さん(5期)、榎戸輝揚さん(6期)、Marcus Werner さん(6期)、鈴木多聞さん(5期)、7期OBの岩尾一史さん(龍谷大)、そして翌年4月から白眉センター長となる赤松明彦先生がそれぞれ講演を行った。いずれも各研究分野での最新の話題や講演者独自の見解をごく基本的なところから詳しく知ることのできる、非常に学びの多い発表であった。鈴木さんの講演では途中で聴衆に議論や意見をうながす場面もあり、他の研究会ではなかなか見られない白眉ならではのスタイルが現れたように感じられた。

1日目の夜はレクリエーション企画として「世界の国と地域ゲーム」を行った。これはスクリーンに映し出された数枚の写真とヒントからそれらがどの国・地域で撮影されたものかを当てるクイズゲームで、参加者を4チームに分けた対抗戦で行った。これも予想をはるかに上回る盛り上がりで、楽しみながら交流を深めかつ学べるという、いかにも白眉らしいレクリエーションになったと感じた。
今年度の合宿は参加人数もプログラムも規模としては昨年と大きくは変わらなかったものの、振り返ってみれば他己紹介において自らの専門さながらに他分野の研究を深く学んでみたり、レクリエーションでは世界の地理や生活習慣を知れたりと、結果として白眉プロジェクトの狙いの一つである「学問分野の違いや国境にとらわれず自由な発想で広く活躍する」というコンセプトに合致した内容になった。参加した白眉研究者にとって、この合宿が自らの研究を客観的に考え今後の発展への繋げるきっかけになれば、と思う。

(かわなか のりた)