第2回白眉年次報告会「白眉のコスモロジー 2012」(2012年4月12日/江波進一)
白眉のコスモロジーとは、白眉の一年を締めくくる成果報告会であると同時に、白眉研究者全員参加のポスターセッションと異分野の研究者同士が一つのテーマについて熱く語り合うワークショップを含んだ新しいスタイルの報告会です。今年度は4月12日に京都大学医学部芝蘭会館にて開催され、前半は白眉プログレスとして、村主さん(1期)、アーロンさん(1期)、山崎さん(2期)、筆者(2期)が最新の研究成果について講演しました。次に行われた白眉研究者によるポスター発表では一般の参加者も交えて非常に活発な議論が飛び交いました。白眉研究者も白眉セミナーなどで互いの研究内容を知ってはいるものの、改めてポスターという形式で簡潔にまとめられたものを見るのは非常に新鮮で、大変勉強になりました。一般の方にも白眉がどういう研究をしているのかについて理解していただくことができたと思います。一般の参加者として高校生も発表を聞きに来てくれたことが印象的で大変うれしかったです。

後半は、生物学者の松尾さん(1期)、天文学者の長尾さん(2期)、宗教学者の熊谷さん(2期)による「見えるものと見えないもの」という議題で異分野融合のワークショップを行いました。一言に「見る」と言っても研究分野によってさまざまな意味合い・考え方があります。サイエンスは見ることによって進歩してきましたが、仏教の世界では見えているものは本当に見えているのか、と問い続けることで新たな価値観を構築してきたように思います。
以上のように白眉年次報告会はいわゆる形式的な「年次報告会」とは異なり、非常に興味深いものになっています。一般の方も無料で参加できますので今後機会があればぜひ一度のぞいてみてください。
(江波 進一・えなみ しんいち)