第86回白眉セミナー : 『気候変化パターンの解明を目指して』
- 時長 宏樹 (京都大学白眉センター)
- 2014/11/04 4:00pm
- 白眉センター(iCeMS西館2階 会議室)
- 日本語
要旨
地球温暖化に伴う気温上昇は、海面高度上昇や降水量増加など地球規模の気候変化を引き起こす。一方、これらの長期的な気候変化は時空間的に一様ではなく、地域的な気候変化の特徴を解明することが、気候緩和策や適応策にとって重要である。現在の気候変化研究の多くは、気候モデルによる気候の再現実験や予測実験に基づいている。しかし、地域的な気候変化パターンの特徴については依然として不確実性が高く、過去の気候変化パターンに関しても、歴史的観測データと整合していない点が多い。一方、歴史的な気候観測データも系統観測誤差の影響を強く受けており、従来考えられていた過去の気候変化パターンの再評価が重要な課題となっている。本講演では、観測系統誤差を軽減した歴史的気候データと、気候変化予測で使用されている気候モデルから得られた結果を比較しながら、気候変化の時空間的特徴について紹介したい。