第80回白眉セミナー : 『速い進化と個体数変動』
  • 山道真人 (京都大学白眉センター)
  • 2014/06/17 4:00pm
  • 白眉センター(iCeMS西館2階 会議室)
  • 日本語

要旨

世界人口は増加し続け、ウナギの漁獲量は大幅に減少している。このような生物の個体数の増減はなぜ起こるのだろうか。生態学者は気候変動や餌の枯渇、天敵といったさまざまな要因が個体数変動に与える影響を調べてきたが、近年になって短期間で起こる適応進化(遺伝子頻度の変化)が大きな影響を持つことが明らかになってきた。特に食う者—食われる者の系では、微分方程式の数理モデルとプランクトンの連続培養系というアプローチから、速い進化と個体数変動の間のフィードバックがよく調べられてきた。本セミナーでは、速い適応が起こるメカニズムに注目した、表現型可塑性・遺伝的変異の導入タイミング・形質を決める遺伝子座の数についての理論研究に関する話題を提供する。

関連する研究者

山道 真人