第61回白眉セミナー : 『日本中世の密教、神道と龍神信仰』
  • スティーブン・トレンソン (京都大学白眉センター)
  • 2013/06/04 4:00pm
  • 白眉センター(iCeMS西館2階 会議室)
  • 日本語

要旨

日本中世の宗教は大まかには仏教と神道に分けられるが、具体的な事例を考察すれば、ほとんどの場合では仏教と神道の組み合わせの宗教形態が見受けられる。このような神仏混淆説を伝える中世の資料が多数多岐にわたるが、この資料の豊富さによって中世の宗教世界の歴史的展開を把握することは困難である。しかし、中世の宗教を一貫する一つの信仰があるようであり、それは日本密教に根ざした龍神信仰である。この発表ではこの日本中世の宗教の特徴を明らかにしたい。まず密教における龍神信仰の優位とその最も重要な変貌を説明し、次いで、この密教の龍神信仰が中世の主要な神道流の中枢を占めるようになって“中世の神道”を生み出した経緯を辿る。

関連する研究者

TRENSON Steven(トレンソン スティーブン)