第271回白眉セミナー : 宗教とは何か──京都学派からのアプローチ
- 浦井 聡 特定助教(15期・文学研究科)
- 2025/07/08 4:45pm
- 学術研究支援棟地下会議室1&2
- 日本語(スライドは英語)
- オンサイト、Zoom
要旨
「京都学派」と呼ばれる京都(帝国)大学の哲学者たちがいた。この学派は西田幾多郎(1870–1945)と田辺元(1885–1962)を中心として1930年頃から1945年にかけて興隆した。本発表はこの学派の哲学の特徴を明らかにするために、彼らの多くが共有している「宗教」に関する理解を取り上げる。宗教は京都学派の哲学において、肯定的な態度を取るか否かにかかわらず重要な位置を担った。だが、彼らの言う宗教は確かに実定宗教に関わると同時に全く無関係という、他分野の宗教に関わる研究者から見れば奇妙な(あるいは冒涜的な)概念である。本発表では、この概念を通して彼らの世界に対する見方を示すとともに、その現代的意義を考察する。