第261回白眉セミナー : いいわけする仏教:特に「愛♥」について
- 大谷由香 特定准教授(14期・人文科学研究所)
- 2025/01/21 4:45pm
- 学術研究支援棟地下会議室1&2
- 英語
- オンサイト
要旨
紀元前5世紀頃活躍したシャカムニ・ブッダを祖とする仏教は、その後アジア各地に広まり、それぞれの土地と文化に根付いていきました。
真理として語り継がれたブッダの言葉は、もちろん改変することはできません。しかし時代や文化が変われば、その言葉通りでは信者を獲得できない場合も多々あります。
アジア各地の仏教徒たちは、ブッダの言葉をそのままに伝えつつ、これに「解釈」を施すことで、時代や文化に適合させて、教えをつないできました。
「ブッダはこのようにおっしゃったが、しかしこの言葉には別の意味が含意されている」という言い訳によって、仏教は各地に根付くことができたのです。
この報告では、私のこれまでの研究と白眉プロジェクトの内容を紹介した上で、今年度の成果として「愛」に関する解釈の多様性を紹介します。