第23回白眉セミナー : 『木本性作物のゲノムの動向と進化機構 ~いかにゲノム情報を実農業へと活用するか?〜』
  • 赤木 剛士(京都大学次世代研究者育成センター)
  • 2011/07/05 4:00pm
  • 次世代研究者育成センター(iCeMS西館2階 会議室)
  • 英語

要旨

木本性植物は一般に生活周期が長く、また、異属間や異倍数性間といった異種ゲノム間での交雑を広く受容するという特徴があります。さらに栄養繁殖が可能である為、種の栽培/育種過程において人為的な選抜が行われれば、高多様性間における交雑の後に、単一の有用種が遺伝的に固定されないままの状態で千年以上も維持・普及される事となります。このような木本性作物に特異な進化過程はそのゲノムの状態や動向にも大きな影響を与え、研究の先行する草本性作物とは明らかに異なった角度からゲノム解析を行っていく必要性があります。本セミナーでは、この木本性作物について、特に実農業への応用を踏まえた形で、①そのゲノムの特徴、②育種へ向けたゲノミックセレクションの現状、③ゲノム進化の解読と農学分野への利用、④新規知見の応用~特に異種ゲノム間融合応答の活用について、の4つのトピックについて概説していきたいと思います。

関連する研究者

赤木 剛士