第223回白眉セミナー : 多細胞生物の進化における表現型多様化の構成的理解
  • 安藤 俊哉(第12期 農学研究科 特定准教授)
  • 2022/09/06 4:30pm
  • Zoom および学術研究支援棟地下会議室1&2
  • 英語(日本語での質問も歓迎します)
  • ハイブリッド形式(Zoom および学術研究支援棟地下会議室1&2) 京都大学および白眉センター関係者限定

要旨

生物は進化の過程でゲノム内に様々な変異を蓄積することで新しい表現型を獲得し、多様な環境に進出してきました。最近のゲノム科学研究の進展によって、生物の表現型進化の鍵となる遺伝子座が続々と同定されてきています。また、その多くの遺伝子座では大規模な染色体再編成を含む複雑な変異が蓄積されてきました。一方で、複雑な変異の中のどの変異が、どのようにして表現型の多様化を引き起こすかは未解明のままです。この問題に取り組むために、最近、私は、多くの生物が表現型進化の過程で経験してきた「鍵遺伝子座における大規模な染色体再編成」を人工的に再構成する染色体操作技術を開発しています。本セミナーでは、私が着目しているテントウムシの翅の斑紋パターンの進化の研究を題材に、大規模な染色体再編成が多細胞生物の表現型進化の方向性を如何にして規定するのかを理解するために私がとっている「構成的進化生物学」のアプローチについて紹介します。

関連する研究者

安藤 俊哉