第209回白眉セミナー : 『なぜ熱帯林はそんなに巨大なのか?リン欠乏ストレスと熱帯樹木の適応』
  • 青柳 亮太 (第12期 農学研究科 特定助教)
  • 2022/01/11 4:30pm
  • オンライン および 学術研究室支援棟 地下会議室1、2
  • 英語
  • Hybrid , closed mode: only open to the members related to Kyoto University.

要旨

長い時間スケールで森はどのように変化するのだろうか?これは、森林生態学の最も主要な問いの一つです。現在広く受け入れられている理論によれば、光合成の必須元素であるリンが雨によって森林内部から少しづつ流れ出ていき、やがて地質学的スケールの時間(数百万年)が過ぎると樹木は強いリン欠乏に晒されます。これにより森林はバイオマスを維持することができなくなり、最終的にはクラッシュすると予測されています。ところが、熱帯雨林の大部分の場所では、土壌が極めて古くリンが少ないにもかかわらず、世界で最も巨大な森林が形成されています。私たちは「熱帯樹木が長い歴史を通して環境に適応してきたことにより、リン欠乏を克服し森林を維持している」と仮説をたて、この仮説の検証に挑んできました。

このセミナーでは、熱帯林の生態やそこでのフィールドワークの様子、それから上記研究の内容についてお話したいと思います。


オープニング・トーク

『パリからクチャへ–天山南路でのフィールドワーク』

  • 発表者:慶 昭蓉 (第12期 人文科学研究所 特定准教授)
  • 使用言語:英語

要旨

パリ留学以降、タリム盆地で実施してきたフィールドワーク、及びその共同研究の成果である『亀茲石窟題記』(上海: 2020)について紹介する。2021年5月、本書は、フランス学士院の碑文・文芸アカデミーから、平山郁夫賞が授与された。同年6月、国際絲綢之路与跨文化交流研究中心(中国・杭州)によって、「2020絲綢之路文化遺産十大学術成果」の一つに選出された。2021年11月26日に碑文・文芸アカデミーの年次総会に参加し、フランスの研究者とのさらなる交流を実現させてくれた白眉センターに対して、心から感謝申し上げる。

関連する研究者

青柳 亮太