『 捕食者が促す生き物の多様化 - カタツムリとオサムシの攻防をめぐる進化の謎に迫る 』
果たして食う者(捕食者)は、食われる者(被食者)の種や表現型の多様化を促すのだろうか、それとも抑えるのだろうか。もし促すのならば、どのようなメカニズムだろうか。ダーウィン以来問われ続けている生物の進化に関する謎は深く、上記のような普遍的な問いにさえ、我々は未だに明確な解答を得ていない。本発表では、食う者が引き起こす食われる者の多様化の実例として、カタツムリとそれを食うオサムシを対象に行なった自身の研究を紹介する。生物の多様化と維持に対する食う-食われるの関係の見過ごされていた重要性を示したい。