第169回白眉セミナー : 『 インド密教における「秘密集会」の抗毒術について 』
- 菊谷 竜太 准教授(白眉センター・文学研究科)
- 2019/07/16 4:30pm
- 白眉センター(学術研究支援棟 地下1階大会議室1、2)
- 日本語 (大学院生を含めた学内の研究者が主な対象の公開セミナー)
要旨
中世インド世界において科学的知識(vidyā)の一部は仏教集団が伝えていた。9世紀東インドの密教僧ヴィドヤーパーダ(*Vidyāpāda)の著作には蘇生術とともにいくつかの医療的とみなしうる技術が記されている。『利験生宝蔵』*Siddhisaṃbhavanidhi,すなわち「悉地を生じるための宝庫」と名付けられたこの書には修行者が習得すべき技術体系が網羅されている。なかでも「毒の対処技術」の項目について取り扱いたい。