『 インド密教における「秘密集会」の抗毒術について 』
中世インド世界において科学的知識(vidyā)の一部は仏教集団が伝えていた。9世紀東インドの密教僧ヴィドヤーパーダ(*Vidyāpāda)の著作には蘇生術とともにいくつかの医療的とみなしうる技術が記されている。『利験生宝蔵』*Siddhisaṃbhavanidhi,すなわち「悉地を生じるための宝庫」と名付けられたこの書には修行者が習得すべき技術体系が網羅されている。なかでも「毒の対処技術」の項目について取り扱いたい。
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