第166回白眉セミナー : 『 極高エネルギー宇宙線 』
  • 藤井 俊博 助教(白眉センター・理学研究科)
  • 2019/05/21 4:30pm
  • 白眉センター(学術研究支援棟 地下1階大会議室1、2)
  • 英語 (大学院生を含めた学内の研究者が主な対象の公開セミナー)

要旨

1912年、V.F. Hessは宇宙から到来する高エネルギーの放射線(宇宙線)を発見した。その中で、10の20乗(1垓)電子ボルトを超えるエネルギーを持つ宇宙線は、宇宙空間の中で最もエネルギーの高い粒子であり、その起源にはガンマ線バーストや活動銀河核といった極限宇宙現象に関わっているか、宇宙初期の位相欠陥で生成された超重粒子の崩壊といったエキゾチックな物理が関連している可能性も考えられている。しかし、10の20乗電子ボルトへの起源および加速機構は明らかになっておらず、現在の宇宙素粒子物理学や天文学において最も興味深い謎のひとつとなっている。本セミナーでは宇宙線物理学と観測手法、そして最新結果についてレビューし、将来展望について議論する。

関連する研究者

藤井 俊博