『 Make invisible infectious disease risk visible 』
人や物の往来の迅速化・大量化は、感染症の国境をなくさせ、ひとたび地球上のどこかで国際感染症が発生すると瞬く間に世界中を駆け巡る。感染症のグローバル化が急速に進んでいます。グローバル化する感染症にどう立ち向かうかというのは21世紀の人類の至上命題の一つになっています。実際、ここ数年だけでも、エボラ出血熱、中東呼吸器症候群(MERS)、ジカ熱の大規模流行が拡大し、人類へ脅威を与えたことは記憶に新しいことだと思います。 グローバル課題としての感染症問題に対して、科学に基づいた適切かつ柔軟な政策意思決定の実現を目標に、そのリスクを可視化する研究をしています。感染症流行ダイナミクスを、統計・疫学・数理モデル等を用い、定式化・構造化して捉え、死亡・流行リスク推定、医学的介入(予防接種・予防内服)・公衆衛生的介入(検疫・接触者調査・学校閉鎖等)の効果推定、疾病負荷・費用効果分析等の定量的評価を行っています。 本セミナーでは、最近の研究事例を紹介させていただきます。