第154回白眉セミナー : 『 発見する言語学:言語学オリンピックからイグノーベル賞まで 』
- 藤原敬介(白眉センター・文学研究科)
- 2018/10/16 4:30pm
- 白眉センター(学術研究支援棟1階)
- 日本語
- 大学院生を含めた学内の研究者が主な対象の公開セミナー
要旨
言語学は科学です。科学の醍醐味は発見にあります。
本講演では、言語学における発見をテーマに三つの事例をとりあげます。
まず、言語学オリンピックについて紹介します。 言語学オリンピックとは、数学オリンピックに代表される 科学オリンピックのひとつです。 対象言語に対する予備知識は不要で、クイズ感覚で問題をとくたのしさがあります。 過去問を実際にとくことで、科学的な言語学の方法を体験してみましょう。
次に、2015年にイグノーベル賞を受賞した 言語学の研究(「え?」は普遍的か)を紹介します。 人が会話するときには「ききかえす」ことが頻繁におこなわれ、 その際にもちいられる言語形式には普遍性があるのではないか、というものです。
最後に、発表者が調査対象としているチベット・ビルマ語派ルイ語群の 臨地調査からあきらかになった(とおもっている) いくつかの音法則について解説し、 母語話者ではなく言語学者だからこそできる研究についてかんがえたいとおもいます。