第151回白眉セミナー : 『量子コンピュータ:情報と物理、基礎と応用、理学と工学の交差点』
- 藤井 啓祐(理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻)
- 2018/07/17 4:30pm
- 白眉センター(学術研究支援棟1階)
- 日本語 (大学院生を含めた学内の研究者が主な対象の公開セミナー)
要旨
最も基本的な物理法則である量子力学は、半導体、MRI(NMR)、レーザーなど我々が日常で利用している技術を影で支えている。このような量子力学を表舞台へと引っ張り出し、コンピュータの原理として積極的に利用するマシンが量子コンピュータである。量子コンピュータは、素因数分解に代表される重要な数学的問題や、材料開発や化学物質の設計、そして機械学習などにその威力が発揮されることが期待されている。Google, IBM, Intel, Microsoft などの巨大 IT 企業に加え、多くのベンチャー企業が立ち上がりつつあり、世界各国で産官学を巻き込んだ研究開発競争が始まっている。本講演では、量子コンピュータの歴史と現在の世界的状況、量子コンピュータの仕組みや得意な領域、量子コンピュータ研究の最近の動向について紹介する。